社団法人日本畜産副産物協会
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原皮の処理と生産量
革のできるまで1
革のできるまで2
革のできるまで3
原皮の用途
原皮とは
原皮の用途
 原皮はいわゆる革製品の原料であり、革靴、ハンドバッグ、鞄、袋物、小物、革衣類、衣服用ベルト、手袋に加工されて消費者向けに販売されるのが一般的ですが、特殊な用途としては、豚皮がやけどの治療用に利用されたり、エキス原料として精製されるとか、あるいは皮から抽出、精製されたコラーゲンが健康食品素材、化粧品の原料、医療用材料として利用される等高度利用の分野が専門家の手によって研究開発され、そのシェアを増やしつつあります。

天然皮の特性
動物体から剥離された生皮には、革の原料となるコラーゲンのほか エラスチン、ケラチンのような構造タンパク質、アルブミン、グロブリンなどの非構造タンパク質、脂肪、無機塩などを含んでいるが、無水物換算で約80%がコラーゲンとされています。
最近、コラーゲンの広範囲な研究により、その生体高分子としての特徴が明らかになり医療及び食品関係の分野への利用開発が盛んに行われています。
天然革が他の素材に比べ優れていると考えられる点には次のようなものがあります。

・銀面が美しく感触もよい。
・保温性があり、触れると暖かく感じる。
・気温による変化が非常に少ない。
・適当な弾性をもち、各種の形状に加工できる。
・そのため、靴では足になじみやすく、手袋では使いやすい。
・切り口は裂けにくく、ほころびがない。
・非常に親水性であり、大気中の水分が多いときはよく吸収し、乾いてくると放出する。

以上の特性をもつことで、天然皮が生活必需品に利用されることが多くなりつつあり、革は「人間にやさしい」生活素材と呼ばれる所以です。

お手入れ方法
【鞄のお手入れ方法】
革バッグ(かばん、袋物)は、少し使うとその人になじんで革としての良さが出てきますが、合成皮革などで作られたものは、購入時が最良の状態であり、使うほど品質劣化が顕著に現れてきます。 革は息の長い使われ方に適した素材であるといえます。ところがもともと革は天然のタンパク質からできていますので、使い方を間違えたり、手入れを怠ると製品の寿命は極端に短くなってしまうのです。
そこで、デリケートな革バッグの手入れ方法について簡単に説明いたします。

 日常的なお手入れ方法
バッグが長持ちするかしないかは、日々の手入れで随分違ってきます。 また、靴と同様バッグも時々休ませ、毎日連続して同じものを持たないように心掛けましょう。
 水に濡れたときのお手入れ方法
水に濡れたら、乾いたタオルで叩くようにして水気を除き、風通しの良い場所で陰干しして革を乾かします。濡れた革は熱に弱いため、高温に近づけてはいけません。 革は、乾燥すると、変形することが多いため、できるだけ変形しないように形を整えて乾燥してください。一度、中まで濡れた革は乾燥すると革中の油分が不均一となり、部分的に硬化することがありますが、指定のクリームを柔らかい布につけて輪を描くように軽くすりこめば大丈夫です。クリームをつけすぎると色が濃くなったり、色落ちすることがありますので使いすぎないよう注意が必要です。革の仕上げの種類によってはクリームでシミになる場合もありますので必ず指定のクリームを使用してください。
 汚れを落とすときのお手入れ方法
普段は柔らかい布でから拭きやブラッシングしてホコリを払う程度で対応できます。手アカや汗で汚れがひどい場合は、指定のクリーナーを布につけ軽く拭くとよいでしょう。その場合は、必ずバッグの底など目立たないところで、濡れタオルで試し拭きし、異状がないことを確認してクリーナーを使用してください。 コーヒー、ジュースのような水溶性のシミは、まず濡れタオルで叩くように拭き、シミが広がらないように注意しましょう。色素が革の目に入り、沈着したものの除去は困難です。
 かばんの保管方法
保管時に最も気になるのがカビです。革には柔軟性を保持するために油脂類が含まれており、また、使った革製品には汗やアカ、それにホコリが付いています。カビはこれらを栄養源として成長するため、長く保管するときはこれらをできるだけ除去しておくことが必要です。ホコリははらい落とせば良いのですが、汗やアカは簡単に除去できません。湿ったタオルで汗やアカの付着していそうな部分を拭くのも一つの方法です。天気の良い日に陰干しして、水分を少なくしてから保存するようにしましょう。
保存は湿度が低く、酸素がない状態一番良いのですが、一般にはできませんので、よく換気することが大切です。密閉した場所では、滞留空気中に含まれた湿気が夜間に気温の下降とともに、革表面に結露し革を濡らします。一度、その状態になるとカビは成長を始めます。
この観点からも、ビニール袋に入れて保管するのは間違いで、できるだけ通気性の良いものに入れて保管すべきです。 ナフタリンなど防虫剤は直接接触すると、変色したり、接着部が剥がれたりすることがありますので使用しないようにしてください。
【靴のお手入れ方法】
歯を磨くことと同じように、靴磨きも毎朝の習慣にしたいものです。 靴をなが持ちさせるコツは、新しいうちからクリームをつけて下さい。 湿気を与えない様に、濡れた場合は陰干しして下さい。手入れをゆきとどかせる様につとめて下さい。 毎日同じものを履かないで数足を交換し履く様に心がけてください。

 靴のお手入れ方法
まず、ヨゴレを落とします。かわいた布かブラシで落とし、汚れのひどいときはヨゴレ落としか中性洗剤の液で拭く事です。 次に、靴クリームを少量づつ薄めにぬって下さい。 厚くぬると持味をそこない、革を早く老化させます。 色クリームは靴の色より薄目の色をお選び下さい。 スエードはソフトな毛並みが生命ですから、ブラシはナイロンブラシ又は生ゴムを使うと良いようです。 色仕上げはスエード用チョークで、毛がなくなって来たり、光ってきたら、紙ヤスリで表面をこすり起毛させます。 エナメルは、ごく柔らかい布で拭くだけで十分です。
 靴の保管方法
丁寧にホコリを落し、保革用クリームを十分塗ります。 シューホルダーに入れて置きますと型くずれしません。 十分乾燥させてから、ビニール袋に入れて密封して置きますとカビが生えません。 時には、(梅雨時など)取り出して手入れをしてください。
【ベルト、衣服、手袋などのお手入れ方法】
 手入れのしかた
保革用液体クリームを柔らかい布に薄目につけて、入念にすり込みながら、柔らかくみがきます。 ヨゴレやシミは革用クリーナーで丁寧に拭きとります。 みがき終わったら、1〜2日間風通しのよい所へ置き、中側まで乾かします。その後柔らかい布でみがきます。 雨に濡れた場合は、陰干した後入念な手入れをする様にしましょう。

 ベルト、衣服、手袋などの保管方法
型くずれしないように、中側に紙などの詰物をして、型をととのえます。 手入れの後よく乾かしてから、ビニール袋に入れ密封して置きます。尚、防湿、防虫剤を入れることも良いと思います。 時には(梅雨時など)取り出して手入れをして下さい。 衣服の場合は、シーズンが終わったら、信用のある一流クリーニング店に出すことも良いかと思います。
【カビが生えてしまったら】
カビを見つけたらすぐに、表革はから拭き、スエードはブラッシングすること。 縫い目やポケット内なども歯ブラシを使って取り除きます。放置しておくと革の組織内部まで変色し、跡が消えなくなることがあるので要注意です。 だが何よりカビを防ぐことが大事なので、普段の手入れや保存方法に気を遣ってください。

【雨に濡れた革製品は】
一般に皮革は水に弱いということを頭に入れておいて下さい。
まず第一に、型くずれしやすくなること。なめしや製品化の過程で伸ばされたり収縮させられていた革が、水に濡れることによっていびつな伸縮をすることになります。そこで靴の場合ならシューキーパーで形を整え、できるだけ元の形を復元します。
第二に、濡れると熱に弱くなるので、濡れた革をストーブに当てたりスチームアイロンなどでいきなり高温にして乾かすのは厳禁です。タオルなどで叩くようにして水分を吸い取り風通しの良い日陰で陰干ししてください。
第三に、雨は革の栄養分である油分を奪いますので、必ずクリーム類で油分を補いましょう。

【スエードのお手入れ方法】
スエード等は、よくブラシを掛け、ヨゴレ等がついた場合はスプレー式クリーナーで吹き付けて、ブラッシングして下さい。 スエード系はホコリがよく吸い付きますので、使用後は必ずブラッシングしてください。

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