社団法人日本畜産副産物協会
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概要
近況と課題
主な補助事業
定款
役員名簿
財務諸表
住所等
『畜産業振興事業の実施のために独立行政法人農畜産業振興機構からの補助金の交付により造成した基金の管理に関する基準』
社団法人 日本畜産副産物協会とは
近況と課題
(1)畜産副生物関係
 食肉業界と最も関係が深く業態も似通っているのが食用の内臓などを取り扱う副生物の業界です。
と畜場において食肉生産の過程で副次的に発生する内臓類の迅速で衛生的・効率的な処理により、安全な食品等としての利活用、高度加工を行って積極的に商品を開拓し、併せて公正公明な規格取引と、鮮度の維持等による安全で高品質な食品として供給することを使命として取り組んでおります。
 平成23年4月に富山県等で発生した焼肉屋における生食用牛肉の摂食に起因する腸管出血性大腸菌による食中毒事件発生を契機に、厚生労働省において牛の肝臓の生食についての規制見直しがなされ、24年7月1日から、食品衛生法に基づく規格基準が設定され、生食が禁止されました。
 現在、肝臓内部を含め安全に処理するための方策を開発し、消費者の希望の多いレバ刺しを再び食べることができるよう努力しているところです。また、この事件を契機に内臓類全般にわたって需要が大きく落ち込んでおります。今後、需要を回復すべく、関係業界の皆様ととともに新たな食べ方の提案、その他の新たな用途などを開発するなど、貴重で栄養豊富な素材としての需要の開拓に努めて参ります。
 さらに、副生物の流通情報の充実を図るため、平成23年度から新たに小売価格の調査を開始し、関東関西の両地区における主要部位の価格情報をHPで公表するなど、消費者の皆様への正しい知識の普及啓蒙等の事業を実施しております



(2)原皮関係
 従来、牛、豚原皮ともに国内の鞣し業者へ販売しておりましたが、水質汚染問題などを背景に転廃業が進み、現在では、豚はほぼ全量、牛では約半数が東南アジアなど海外の鞣し業者へ販売するようになっております。結果として、豚原皮が23年では畜産物の輸出額トップになるなど大きな構造変化が進んでいます。
 このため、我が国で重篤な家畜の伝染性疾病が発生した場合、輸出相手国が当該疾病の国内への侵入を防ぐことを理由に輸出ができなくなるリスクが高まっております。実際に、平成16年には鹿児島県下での未承認豚コレラワクチン接種事件発生を理由に中国が輸入停止措置を執り現在に至っておりますし、平成12年及び22年に口蹄疫が発生した際には、主要な輸出相手国が一時輸入停止措置を講ずるなど大きな混乱を生じました。このように、伝染性疾病発生時の輸出相手国との家畜防疫に関する迅速な対応が重要となっているとともに、そもそもこうした伝染性疾病を発生させないような家畜衛生条件の維持・向上を図ることがなにより大切なことになっています。



(3)レンダリング関係
 食肉生産の過程で発生する食用にならない骨、内臓、くず原皮など加熱溶出して液体である油脂と肉骨粉などの固形分に分離・精製するリサイクル産業です。平成13年に我が国で初めてのBSEが発生すると、同病蔓延の原因となった牛由来肉骨粉等の飼料等への利用が禁止となりました。このままでは円滑な食肉生産に支障が出ることから、当協会が実施主体となって、これらを適正に焼却処分することにより食の安全・安心を確保するための国の補助事業が開始され、現在も継続中です。
 今後については、BSEの国内管理措置の根幹である牛肉骨粉等の飼料規制を引き続きしっかりと行うことによりBSEの撲滅を図ること。一方で、科学的な根拠・評価に基づいて、安全性に問題のない品目についてはいたずらに過度の規制を漫然と継続することなく、できる限り従来通りの自由な処理・加工、販売ができるよう元に戻すことが最大の課題となっています。
 また、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザなどの伝染性疾病が大規模に発生した場合、蔓延を防止するために行う大量の家畜の処分が、埋却用の土地の確保ができないなどの理由により迅速にできない場合が多く、レンダリング処理することへの期待が高まっております。実際に平成16年の京都府下における高病原性鳥インフルエンザ発生時には当業界挙げて殺処分鶏の受入処理に協力し、当局から大いに感謝されました。

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